野菜をスーパーと直売所どっちで買うのが安い?新鮮?

おもいでファームの近藤です。

江南市で無農薬・無化学肥料で野菜を作っています。

畜糞を使わず「米ぬか」と「おから」を利用した

自然栽培に近い形の栽培をしています。

最近、ショッピングセンターのなかに

野菜の生産者が直接持ち込んだ野菜を販売する

いわゆる農産物直売所(以下 直売所)が増えています。

私も野菜を出荷している「わくわく広場」は、

現在、全国に多数出店している代表的な直売所です。

また昔からのJA店舗や道の駅にも

昔ながらの直売所がたくさんあります。

また、

スーパーのなかにも「地場野菜コーナー」という

近隣の生産者が直接持ち込んだ野菜を販売するコーナー

があるのが、いまや一般的になりました。

ですので、

買物にスーパーやショッピングセンターに行った時、

野菜は、スーパーと直売所どちらで買うか

という選択ができるようになっています。

そこで気になるのが、

どっちで購入するのがいいの?

ということだと思います。

直売所とスーパー両方に出荷している

農家の立場からお話します。

スポンサーリンク

スーパーと直売所どっちが安い?

まず気になるのが価格だと思います。

直売所のほうが安い

というイメージをお持ちの方が多いと思います。

そのイメージはおおよそ正しいです。

もちろん必ずしも直売所の方が一概に安いとはいえません。

日によっては品目によってはスーパーのほうが安いことはあります。

しかし直売所のほうが安くなりがちな理由がいくつもあるのです。

以下に理由を挙げていきます。

卸や仲卸の中間マージンがない

これに関しては特に問題ないかと思います。

野菜が生産者から店舗に並ぶまでにはいくつか業者が絡みます。

その都度、各業者の利益分価格が上がるのが流通の仕組みです。

スーパーの野菜は基本的にその流通に乗った野菜ですが、

直売所は直接生産者からの野菜を委託販売しています。

例えば、

スーパーで100円で販売されている野菜の場合、

出荷した生産者に入ってくるのはおよそ40円くらいです。

その生産者が直売所で40円受け取るには

直売所の販売手数料が25%だった場合、

55円で販売すれば40円受け取れます。

スーパーに流れる市場出荷の場合、

そのままの姿で段ボールに入れて出せるのに対し

直売所に出荷する場合、

袋詰めまでして各店舗に自分で持ち込む必要があります。

両者ではそもそも出荷量が圧倒的に違いますし、

出荷にかかる経費と手間が全然違います。

そういう前提があることを知っていただいた上で、

単純化するためにそれを考慮しないとすると

生産者が同じ40円を手に入れる時、

スーパーで100円で売っている野菜が、

直売所では55円で出せるということになります。

そのため、直売所の野菜の方が安くなりがちなのです。

スーパーの価格を参考に値付けする生産者が多い

直売所に野菜を出荷する生産者は、

そこに入っているスーパーの価格を参考にして

価格を決定している場合があります。

直売所に野菜を持ってくる時間帯は特に決められていない場合が多いです。

ですので、スーパーで並んでいる野菜の価格を見てから

自分の野菜の価格を10円安くするなどして店頭に並べることができるのです。

そうするとどうしても直売所の方が安くなりがちなのです。

スポンサーリンク

出荷する生産者同士での価格競争が多少ある

直売所にはたくさんの生産者が登録しています。

直売所に登録している生産者の多くは、

ビニールハウスによる施設栽培を行っている人ではなく、

露地で旬の野菜を作っている小さい規模の生産者です。

定年後に趣味から始めて規模が大きくなってきたので、

直売所に持ってきているというような方も多いです。

旬の野菜を作っている人が多いということは、

持ってくる野菜が当然ですが重複します。

店頭に同じ野菜ばかりが並ぶことになります。

直売所でやたら同じ野菜ばかりが大量に並んでいる

という光景はよく見ると思います。

そうなると、必然的に起こるのが価格競争です。

みんながほんのちょっとずつ価格を引き下げても、

出荷する生産者の数が多いと、あれよあれよと下がっていきます。

野菜に付加価値を付けられる生産者はいいですが、

見た目がほとんど変わらない場合、

どうしても価格が購入の大きな要素になるため

これは避けられません。

これも直売所がスーパーよりも安くなりがちな要因です。

採算度外視で値付けする生産者の存在

先ほどもすこし触れましたが、

直売所に持ってくる生産者のなかには、

趣味から始めて規模がだんだん大きくなり、

自家消費しきれないので持ってくるという方がいます。

これは直売所でも問題になっていることの一つですが、

その方たちが大きく価格を引き下げている事実があります。

年金をもらっていて特に生活には困ってないけど、

お小遣い稼ぎくらいな気持ちで野菜を出荷する方です。

直売所にメインで出荷して

農業で生計を立てようという方にとっては

ちょっと困った存在なのです。

ただ、自由競争の世の中なので

いくら安い価格をつけようが基本的に問題ありません。

固定客のしっかりついた付加価値のある野菜を作っていれば

価格競争には巻き込まれないはずだ

直売所に頼ってしか販売できない生産者側にも問題がある

そうもいえるため、

これはなかなか難しい問題なのです。

これもスーパーより直売所が安くなりがちな要因の1つです。

その他

他には、

流通量の少ない定番ではないようなちょっと変わった野菜は、

確実に直売所の方が安いと思います。

スーパーではなかなか売っていない

つまり流通量の少ない野菜は割高になりがちです。

スーパーでは取り扱いの少ない定番以外の野菜も、

直売所に持ってくるような小規模の生産者であれば、

定番の野菜同様に普通に栽培していることが多いので、

結果として安くなることが多いです。

逆に、

スーパーのほうが安くなる場合も1つ挙げておきます。

これは直売所に持ってくる生産者のタイミングです。

毎日持ってくる人もいれば、不定期に持ってくる人もいます。

生産者が気まぐれで持ってくる場合が多いです。

そうなるとどうなるか?

売場の商品量が全く安定しない

という状況に陥ります。

直売所は登録している生産者の出荷にある程度頼っています。

しかしすべてを登録している生産者に頼っていると、

・野菜が売場に全くない時、
・売場に並べきれないほど野菜があふれている時

が普通に発生します。

売場に沢山野菜がある場合は、

野菜は委託販売なので、直売所のリスクはありません。

売れた分だけ生産者に支払えばいいわけですから。

しかし、

野菜が売場にないと困ります。

売上が立ちませんから。

そうすると、

直売所は野菜をどこかから手配しなくてはいけなくなります。

つまり、

スーパーのように野菜を普通に買取で仕入れてくるわけです。

するとどうしても直売所でも

スーパーと同じような価格で売らざるを得なくなります。

この場合、スーパーの方が安くなる場合があるのです。

端境期によく起こります。

端境期とは

露地で旬の野菜を作る場合に起こる、
春夏野菜と秋冬野菜の入れ替えの時期に、
一時的に収穫できる野菜がぐっと少なくなる時。

スポンサーリンク

スーパーと直売所どっちが新鮮?

これは一概にどっちが新鮮とはいえません。

店頭に野菜が並んだ段階では、

直売所の方が新鮮な場合が多く

店頭に陳列される時間が長くなればなるほど、

スーパーの鮮度の方が上がってくる

というのが私の感覚です。

具体的に説明します。

収穫してから店頭に並ぶまでの時間

スーパーの野菜は、JAや卸・仲卸などを経由して届けられます。

そのため、収穫から売場に到着するまでにどうしても時間がかかります。

対して、

直売所は生産者が収穫して袋詰めしたものを、直接売場に持ってきます。

そのため、

売場に並んだ時点では、

直売所の野菜の方が新鮮な場合が多い

と言えます。

例外があるとすると、

直売所に持ってきた野菜の鮮度が

すでに落ちている場合があるということです。

生産者が収穫したものをすぐに持ってこない場合がある

ということです。

お店が開店する朝一番で

直売所に野菜を持ってくる生産者の野菜は

前日に収穫した可能性が高いです。

野菜を収穫し、洗い、袋に詰める作業は

思った以上に時間がかかる作業なのです。

これは私が就農して一番想定外で大変だと思った点です。

朝どれの野菜を持ってこようと思うと、

持ってくる数にもよりますが、

相当早起きして収穫したりしないと

開店には間に合いません。

夏なら日の出が早いのでそれも可能ですが、

冬場は無理でしょう。

霜の降りている時間帯に野菜を収穫すると、

野菜が傷んでしまい収穫できないからです。

スーパーの場合は届くまでに1~2日かかるので、

前日収穫でも、まだ直売所の野菜のほうが新鮮なことが多いです。

ただし、

それは生産者が直売所に持ってくるまで、ちゃんと鮮度管理をしていた場合です。

店頭に並ぶまでの鮮度管理

スーパーに入荷する野菜は、流通過程で温度管理の徹底がされています。

しかし、

直売所に持ってくる生産者の場合、それが微妙な場合があります。

生産者が直売所に野菜を持ってくるまでの保管の仕方

について、直売所の規定では特に何も言及されません。

小規模の直売所の生産者だと、

業務用冷蔵庫の設備を持っていない人は多いです。

そうなると、

出荷までの保存状態としては、

スーパーに軍配が上がります。

店頭に並ぶまでの時間は、

直売所が早いことは多いですが、

店頭に並ぶまでの鮮度管理に関しては、

一般的にはスーパーのほうが良いと言えるでしょう。

店頭に並んでからの鮮度管理

店頭に並んでからの鮮度管理は、

圧倒的にスーパーのほうがしっかりしています。

売場を見れば一目瞭然です。

スーパーでは、

低温管理が必要な野菜は必ず冷蔵スペースに並んでいます。

しかし、

直売所では野菜が常温の状態で並んでいることがほとんどです。

冷蔵庫のある直売所がほとんどないのです。

店頭に並んでからの鮮度はスーパーのほうが上です。

さらに、

スーパーの野菜売場は室内温度が低いですが、

直売所は明らかにスーパーよりも室温が高いです。

室温の違いだけでも、鮮度はかなり変わってきます。

すなわち、

低温で管理するスーパーでは、鮮度は長く保たれますが、

常温陳列の直売所の場合、鮮度の劣化は非常に激しいです。

このように、店頭に並んでからの鮮度管理は

完全にスーパーに軍配が上がります。

スポンサーリンク

スーパーと直売所どっちが品質が高い?

スーパーには規格をクリアした野菜しか並びません。

規格があるため、形状的に悪いものは基本的にありません。

対して、直売所に並ぶ野菜には規格がありません。

形状的に悪いものも存在します。

洗いが雑だったり、見た目が良くない野菜も並びます。

直売所なら価格を下げたB品を出すことも可能です。

一概に見た目がよさが品質がよさにつながるわけではありませんが、

見た目という観点で言えば、

スーパーの野菜のほうがきれいです。

まとめ

いかがでしたか?

スーパーも直売所もそれぞれ良し悪しがあります。

ですので、一概にどちらが優れているとは言えません。

ただ、これまで説明してきたことを理解していれば、

賢い野菜の買い方ができるはずです。

以上のことから考えると、

納品から時間が経っていない野菜は、

直売所で購入したほうが安く鮮度が高い可能性が高いので、

直売所を利用する。

直売所に納品から時間が経っているものしかない場合には、

多少価格が高くてもスーパーで買った方が新鮮なので、

スーパーで購入する。

のがいいのではないかと思います。

直売所の納品日の確認をしたい場合は、

商品に貼られたバーコードラベルに記載されていることが多いので

そこで判断してください。

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

【お知らせ】

おもいでファームでは納品や出店情報・収穫イベントなどを

以下のLINEオープンチャットで随時告知しています。

おもいでファームの野菜をお求めの方はぜひご利用ください。
https://line.me/ti/g2/rlBhVhDxnCsaXPK4ptrSUQ

↓詳しい説明はこちら

【大切なお知らせ】おもいでファームの「LINEオープンチャット」開設しました! 

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする