農産物直売所で野菜が圧倒的に売れる魅力的なPOPの作り方

おもいでファームの近藤です。

通常の野菜の流通に乗らず生産者が直接お店に持ち込んだ野菜を販売する農産物直売所。

JAなどが運営する農産物直売所や道の駅以外にも、

最近ではショッピングモール内に新鮮な地場野菜を販売する専門店も増えています。

おもいでファームも、岩倉・木曽川・扶桑の「わくわく広場」(株式会社タカヨシ)で野菜を委託で販売してもらっています。

さて、

農産物直売所で野菜を販売する際、売上を大きく左右するファクターがあります。

それがPOPです。

この記事では、農産物直売所におけるPOPの活用の仕方についてお伝えします。

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POPの威力!活用するとこんなに売上が変わる!

POPとは、『Point of purchase advertising』(購買時点広告)の略語で、

店頭での一般的な販促ツールです。

まずはPOPの持つ威力の大きさを過去の事例からお伝えします。

POPを活用してCD全国販売数一位に

店舗で販売の仕事をしたことのある方ならPOPの重要性は充分理解されていると思います。

僕も農業をする以前、WAVEというCDショップで働いていたことがあります。

POPの使い方ひとつで販売枚数に大きな差が出ることを実感する経験をここでしました。

一時期J-POPをボサノヴァ風にアレンジしたボッサカバーが流行った時期がありました。

当時いくつもリリースされたボッサカバーのうちの1つのアルバムの話です。

私が当時店長をしていた店舗は、売上も少ない小規模の店舗でしたが、

POPと店頭演奏を利用した販促で、このCDを全国一販売した実績があります。

特に話題になるような作品ではありませんでしたが、

作品自体は上質で非常に内容が良かったのです。

また店舗があるショッピングセンターの客層とマッチすることが分かっていたので、

その内容の良さを大々的にPOPを使ってアピールしました。

その結果、

小規模の店舗ながら1000枚を超す販売実績を実現しました。

枚数のイメージ的には、当時最も販売力のあった嵐のその店のシングル販売枚数に並ぶくらいの数字です。

このように、

POPを有効的に活用することは販売数を大きく伸ばすことを可能にします。

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農産物直売所の売場の現状

農産物直売所に行って売場を見渡してみてください。

POPを書いて掲示している人はほぼ皆無です。

つまり、

ただPOPを書くだけで、簡単に他の生産者と差別化ができるのです。

描かない理由はありません。

店舗独自でPOPを作っている場合もありますがおそらく少数です。

それには1つ理由があります。

店舗が特定の生産者のPOPを作ると公平感がなくなるのです。

・あの人のPOPは作っているのに自分は作ってもらえてない。

・自分も同じ野菜を出しているのに、お店はなぜあの人の野菜だけ推すのか

みたいなことが起こるのは目に見えています。

そのため店側は積極的にPOPを作りにくいはずなのです。

でもそれって、チャンスですよね。

POPが店内に少なければ少ないほど、自分のPOPを掲示すれば圧倒的に目立つわけです。

商品の情報は小さなバーコードラベルだけ

野菜が入った袋に店舗で発行したバーコードラベルを貼りつけて売場に並べる。

ほとんどの生産者がやっていることはこれだけです。

そのため売場にはこのバーコードラベルが貼られた野菜がただ並んでいます。

つまりお客さんは商品自体とバーコードラベルの内容で購入するかどうかを判断しています。

バーコードラベルに記載されているのは

「価格」「野菜名」「生産者名」「納品日付」くらい。

バーコードラベルから得られる情報はこれだけです。

そのためここから読み取れるのは、

安いか高いか?

新鮮か新鮮じゃないか?

くらいです。

特定の生産者の野菜が欲しい人以外、生産者の名前なんて関係ありません。

さらに、「納品日付」はあくまで納品した日付であって、そこから収穫した日は読み取れません。もしかしたら2日前に収穫した野菜を持ってきているかもしれません。

例えばPOPに「収穫したその日に持ってきています!」という1文があればどうでしょう?

納品日付が当日なら、「これは今日収穫したばかりの新鮮な野菜なんだ!」ということがお客さんに伝わります。

「野菜の見た目と価格さえ分かればいい」というお客さんも多いと思うので、

見た目の品質と価格だけで勝負している生産者は、この販売方法で全く問題ないはずです。

しかし逆に、アピールしたいポイントがある場合、

バーコードラベルを貼っただけでは伝わらないということです。

アピールしたいことがあるならPOPを作ろう

POPは

商品自体に魅力がある・アピールすべきポイントがある

ことが前提にあります。

アピールすべきポイントがなければ、特に書くこともないでしょうから

POPを作る必要はありません。

しかしアピールしたいポイントがあるなら絶対に利用しない手はありません。

POPを書くことで

・自分の野菜にはこんな魅力がある

・自分の野菜を購入するとこんな未来が待っている

ということを伝えることができます。

自分なりのこだわりを持って野菜を作っていれば

きっと伝えたいことはあるはずです。

農産物直売所でPOPを使う場合の注意点

店舗のルールに従う

店舗によっては独自のPOPを認めていないところもあるかもしれません。

必ず店舗の担当者にPOPの使用の許可を取りましょう。

野菜が売れた後のPOPの管理方法なども確認しておきましょう。

お互い気持ちよくビジネスをするためにも、必ず各店舗のルールに従います。

お店のイメージを損なわないPOPにする気遣いを

野菜が売れればお店の利益にもなるため、基本的にPOPは歓迎されると思います。

ただ、「このPOPはちょっと・・・」と思われるような、例えば店のイメージを損なうようなPOPでは店側としても困ります。

店側としてどうか?という視点も忘れないでください。

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農産物直売所で売れる具体的なPOPの作り方

これは僕がいつも書いているPOPの一例です。

いつもだいたい同じ構成です。

自分なりの構成・型を決めてしまえば、以降何も考えずに描けるのでおススメです。

大したPOPではありませんが、

このPOPには伝えたいいくつかのポイントがありますので順に1つずつ見ていきます。

アイキャッチ

パッと目に飛び込んでくるかどうかです。

視界に入った時につい見てしまうようなインパクトが大切です。

目立たせることが重要です。

POPは大きければ大きいほど目立ちますが、商品や売場のバランスを考えてサイズを決めましょう。

このPOPで僕なりに意識した点は5つ。

黄色い目立つ色の紙を使った

黄色い紙はやっぱり目立ちます。

そういえば某ヴィレッジヴァンガードのPOPの紙も黄色ですね。

大きく見やすい字にした

文字の読みやすさもすごく大切です。POPの基本です。

ニンジンの文字を抜き文字にした

ニンジンの文字を抜き文字にすることで画一的な文字の印象を打ち消します。

赤マーカーを使用して2色にした

赤のラインがすごく目立ちます。注目してほしい文字をアピールする以外にも、2色にすることでパッと見の印象も変わります。

ニンジンのイラストを描いた

文字だけだと堅苦しい感じもイラストがあると随分とやわらぎませんか?

伝えたい内容

おもいでファームは無農薬・無化学肥料で野菜を作っています。

おもいでファームのお客さんは無農薬の野菜を食べたいと思っている人。

まず必要なのはメインターゲットに向けたアピールですよね。

「無農薬の野菜が欲しい!」と思っている人に分かりやすいように、

「農薬・化学肥料を使わない」を最も目立つ形で一番上に大きく書いています。

野菜についてのコメントもとても重要です。

このPOPはスペース配分を間違えたので少ないですが、

もっとスペース取って文字量増やすほうがいいと思います。

ちなみに

「使っている肥料は米ぬかとおからだけ」というのは単に僕が伝えたかったこだわり。

畜糞使ってない野菜が欲しいという人にならアピールします。

畜糞を使っていないということでなんとなくクリーンな印象を与えているかもしれません。

また、味は人によって完全に主観的なものですが、

それでも主観でいいので生産者本人による味についての言及はすべきだと思います。

こんな味わいだからこんな料理に合う!

とか

今しか食べられないこんな食べ方がおすすめ!

とか

ぜひ生で食べてみて!びっくりするから!

とか

自分でもびっくりするくらい美味しく作れました!自信作!

自分でいうのもあれだけどめっちゃ美味しい!

こんななんのひねりもないもの言いでも、

自分で作った野菜に対する熱い思いをPOPにぶつけることで、

それだけでお客さんに伝わりますし、

買って食べてみたい!という気持ちになるはずです。

あと、書く内容についてひとつ。

自分の野菜についてアピールすることはよいですが、その比較として他人の栽培方法などについて批判的に捉えられるような言及はやめましょう。

手書き

パソコンで作ったPOPでも全然良いです。

ただ僕はあえて手書きにこだわりたい人なので、これも入れています。

ありきたりの言い方ですが、

手書きのあたたかみ

これは特に野菜のPOPには強く感じられる気がしています。

生産者本人による愛情をこめて作った野菜についてのコメントですよ。

手書きで

「こうやって一生懸命に作った野菜です」

って書いてあったら、ちょっと印刷のものとは違った印象を受けませんか?

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まとめ

今は定年後にちょっと広く畑をやっている人が農産物直売所に野菜を出荷する時代です。

年金もらって趣味で野菜を作って、

作りすぎちゃったし喜んで食べてくれる人がいれば価格はいくらでもいいや、

というおすそ分け気分な価格設定が、農産物直売所の価格を下げている現状があります。

余ったら廃棄になるだけでもったいないし、引き取りに行くのも手間だし・・・

という理由で価格を下げる気持ちは分からなくはありません。

農産物直売所に出荷をする人は、安易に価格を下げるのではなく、

・どうしたら適正価格で売れる野菜を作れるか

・どうしたら売場で自分の野菜を手に取って買いたくなってもらえるか

を考える必要があるように思います。

そのためにも売場におけるPOPの活用はとても重要になります。

農産物直売所に出荷する人がPOPを活用するきっかけになればうれしい

と思いこの記事を書きました。

野菜とは関係なくPOPを描く参考になるなら、それはそれでうれしいです。

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